こんにちは、机上大使です。
日本には様々な俳優業がありますね。
・ドラマや映画に出演する「俳優(女優)」
・アニメや洋楽に声を入れる「声優」
俳優は勿論、最近は声優も顔出しでメディアによく取り上げられていて常に注目を集めています。
しかし、我々特撮好きには欠かせないとても大切な俳優業があります。
それが「スーツアクター」!!
仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマン、怪獣映画などで活躍するスーツや着ぐるみを着てアクションや演技を行う専門の俳優です。
私のように仮面ライダー大好き!って人は勿論知っている俳優業ですが、「スーツアクターって何ぞや?」という方もいらっしゃると思います。
なので今回は、私なり簡潔に「スーツアクターって“モノスゲーイ!!”んだぞ!」て話をしてみようと思います!
パントマイムの達人
スーツアクターの凄さといえば、白熱のアクションシーンがとても印象的だと思います。
でも作品の中では、スーツの状態で役者との会話やスーツを着たもの同士での会話だってしてますよね。
その作品の世界観では変身者(仮面ライダービルドなら桐生 戦兎)がアイテムを使って変身しますから、スーツからは勿論変身者の声が聞こえてきます。
でも実際は、そのシーンを先に撮っておき、後程収録スタジオで変身者の役者がその動きに声をあてているんです。
つまり映像を撮る時、スーツアクターは体の動きだけでそのシーン演出しなければいけないのです!
勿論現場ではスーツの中で台詞を喋ってるとは思いますが、スーツを着てるので顔は見えません。
だから、映像で台詞や感情を表すにはどうしても体の動きだけで表現しなくちゃいけないんです。
仮面ライダーや戦隊もののヒーローって、喋っているときってよく頭が動いていますよね?
あれも口がマスクで見えないので、頭を良く動かして喋っているように演技しているんです。
スーツアクターは、アクションだけでなく体だけで感情を伝えるための高い演技力が必要になるんです。
まさしくパントマイムの達人!と言っていいでしょう。
身体の制限が凄まじい
先ほどパントマイムの達人ということで、スーツアクターは全身の動きだけで表現する必要があることを書きました。
さらに付け加えるとスーツアクターは体を使った表現を身体の制限を設けた上で行っています。
全身が布のようなスーツだったらまだいいかもしれませんが、実際の特撮番組のスーツは胸部や肘や膝に固い装甲を着けていたりします。
これが動きに結構支障が出ます。
本当なら動かせるのに、装甲があるだけで届かなくなったり思うように動けなくなったりしてしまうんです。
スキーをやる人ならわかると思うのですが、スキー用の靴って硬質のプラスチック製で足の指が動かないので、今までの歩き方ってできないですよね?
それが体の至る所にあるってのをイメージすれば分かりやすいのではないでしょうか。
さらに、スーツアクターは作品によってはマスクを被って演技をする場合があるのですが、マスク次第では異常に視界が悪くなります。
仮面ライダーのマスクを例に挙げてみましょう。
仮面ライダーのマスクは複眼があるのですが、その複眼は装飾で複眼を通して外を見ることはできません!
じゃあどこで見てるのかというと、フィギュアで表現するなら
ここです!!
これをある記事を参考に再現してみるとマスクの中では
こうやって移るんだそうです!
おいおい・・・ほとんど見えないじゃん。
しかもこれはアクション用のマスクの視界でまだ見えるレベルで、アクション以外で使用する「アップ面」というのがあるそうですがその視界は、
何にも見えねえ!!
こんな視界の中で動き回っているスーツアクターにはもう脱帽もんですよ・・・。
もはや視界を頼りに行動してはいないでしょうね。
これに加えてスーツの通気性はほぼ0ときたもんですから、もう普通の人間じゃ耐えられない環境のなかで全身全霊で演じてるんです!
命懸けのスタントアクション
これまで書いてきたように、スーツアクターは過酷な状況の中で撮影を行っています。
さらにスーツアクターは、そんな状況下で危険なアクションも行っています。
高いところから飛び降りたり、階段から落ちたり、爆発に巻き込まれたりします。
それを、あんな視界の悪い状態や体が思うように動かせない状態でやっているんです。
普通に考えてかなり命懸けだとは思いませんか?
一切の気の緩みが許されず、下手したら命を失いかねない状況で演技をしている場合もあるんです!
それだけ凄いことをしているのに、自分の顔は晒さずに子供たちのヒーロや嫌われ役の怪人を演じるスーツアクターという俳優業ってとても立派な仕事だと思いませんか?
おわりに
今回は、スーツアクターという俳優業について簡単にですが書かせていただきました。
実は少し前に、特撮好きな私にはとても悲しいニュースがありました。
が、もっと悲しいのはそのニュースに対してあまりにも無慈悲な言葉がツイッターで呟かれていたことです。
「スーツアクターは仮面ライダー俳優じゃない。」
このツイートを見たときに私はとても悲しかったですし、憤りというものを覚えました。
私は、「仮面ライダー俳優」は顔を出して演じる俳優女優だけではないと思っています。
怪人等に声をあてる声優もそうですし、仮面ライダーや怪人を動きだけで演じるスーツアクターだって立派な「仮面ライダー俳優」だと私は思っています。
もっと言えば、仮面ライダーに関わった全ての“俳優”が「仮面ライダー俳優」であるとも私は思っています!
この記事を通して少しでもスーツアクターのことを知ってほしいし、より特撮作品に触れてくれる人が増えてほしいなと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
またいつかの明日に会いましょう。